それは突然に。
「…なあ、妹子」
「……」
「妹子ってばー、おーい」
「…あのですね、見れば分かるように僕は仕事中なんですよアホ太子。不快なカレー臭まきちらしてないでさっさと出てってくださいアホ偉人」
「あ…アホって言われた…しかも二回…」
「もっと言いたいのを我慢してあげてるんですよ、感謝してください」
「お前……。ふーんだ!せっかくこの摂政が相談してやろうと思ったのになんだその態度!やめてやるよ妹子のあんこ!鬼饅頭!」
「そういえばもうすぐおやつの時間ですね…って、え、相談?」
「……な、なんだよやっと聞く気になったのか?」
「珍しいので興味あります。太子にも人間らしい悩みなんてあったんですね」
「お前、私をなんだと…」
「イカの一種かなと思ったことはあります」
「イカってなんだよイカって!摂政だぞ私は!偉いんだぞ!」
「あーはいはい分かりましたから早く言ってください太子。僕はアンタと違って忙しいんです」
「絶対コレ相談される態度じゃないよな…。まあいっか。…あのな、」
最近、妹子といるとヌルヌル…じゃない、どきどきするんだけど、なんでだと思う?
「………は?」
「話したり顔を見ないと落ち着かなくて、他の者と妹子が笑ってると面白くなくて、一人でいても妹子のことばっか考え」
「たたたた太子っっ!!ちょ、ストップ!!」
「なんだよまだ途中なんだぞ」
「そ、その……それ、本当のこと、なんですよね?からかってるんじゃなくて…」
「からかってどうするんだ、ただ原因は妹子にある気がして話してんのに」
「~~~っ!!」
「? 妹子、なんか顔赤いぞ? タコの親戚だったのかお前?」
「このバカ全然自覚してねぇ…!! うわあああそれよりちょっとでも嬉しいとか思った自分を抹殺してぇぇぇぇぇ!!」
「ん?なんで嬉しいんだ妹子?」
* * *
初書き太妹。自覚の無い太子と妙に察しのいい妹子のすれ違い萌え。
2008.08.07
PR