台風の日。
「ヒュースケン君、ちょっとだけ・・・ね?」
「だ、ダメです・・・お願いですから、やめて・・・!」
「そんなこと言わずに・・・ね、今夜は特別だろう?」
「そ、そんなこと言われても・・・」
「口ではそんなことを言いつつも実は期待してるんじゃないかね? さぁ、正直になってごらん」
「嫌・・・、困り、ます・・・」
「ほら、凄い音が聞こえるよヒュースケン君。私はもう辛抱出来ない・・・」
「やめ、ハリス、さ・・・っ」
「今だ隙ありーーーっ! とぉおっ!」
「あああしまったー!!」
「ふふふこの時を待っていたのだよ! いざ、オープン・ザ・セサミーー!!!」
「待ってくださいやめて開けないでー!!」
「何を言ってるんだね台風だぞハリケーンだぞ! 直接拝まないでどうする! おおおっ凄い暴風雨だよヒュースケン君!!」
「ちょ、ハリスさん雨戸! 雨戸を早く閉めて下さい!」
「もうちょっとだけ! おっ光った! 雷も鳴っているよ!」
「ああっ書類が飛んでくー!!」
「荒れた海を見ると昔を思い出すな! あれはまだ私が駆け出しの貿易商だった頃・・・」
「思い出に浸ってないで閉めてーー! うわぁっ本が風でバラバラにー!」
「はははははやるな台風め! いいインパクトだっ」
「笑ってないで助けてーー!!」
「君もこっちで見たまえ・・・・うおぉお!?」
「どうしましたハリスさん!?」
「・・・・ヒュースケン君・・・びしょびしょになっちゃった・・・・・」
「・・・・・・・・・。お風呂、入りましょうか・・・」
台風になるとテンション上がるおっさんと苦労の絶えない秘書。
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