君と星空を見上げた日
ひとつ、ふたつ、……
「きれいですね、ハリスさん」
「そうだね、ヒュースケン君」
1枚の毛布にくるまって、流れる星を数えていく。夜風の冷たさを忘れて、私たちは子どものように身を寄せ合って空を見上げた。
右手にはわずかな温度を残したマグカップ。君の淹れた、甘いコーヒー。
「あ!」
不意に君は声を弾ませて、高い空を指差す。
「3つめ。…見てました?」
「あ、いや…」
「残念。今のは格別だったのに」
君の横顔に見惚れていて、などと年甲斐も無く口に出すのははばかられ、誤魔化すように咳払い。
「次は見逃さんよ」
「ふふ、…どっちが先に10まで見つけるか、勝負しましょうか」
「面白いね、勝者には何が?」
「ハリスさんのお好きなように」
他愛の無い会話がこんなに貴いと、…愛しいと、思えたのは。
「ふむ、そうだな…」
繋いだ左手から伝わる君のぬくもりと、二人で共有する大切な想い。
それら全てが、君と過ごす幸せの証だと、思えるから。
「…ではヒュースケン君、」
耳元に口を寄せ、くすぐったそうに笑う君に目を細め。
ありったけの感謝と愛の言葉を、君に。
***
ハリス誕&りゅう座流星群接近記念!晴れますように。
11.10.04
君と想い出・十題 rewriteさま